乱歩奇譚 Game of Laplace

アニメ『乱歩奇譚 Game of Laplace』の感想です。


乱歩奇譚 Game of Laplace』(2015)
評価 : ☆

江戸川乱歩の没後50年の企画として、乱歩の作品群を原案としたテレビアニメ。
明智探偵、小林少年、怪人二十面相など、乱歩作品を代表するキャラも登場しますが、舞台は現代に移されています。


江戸川乱歩は私の大好きな作家で、好きな作品もいっぱいあります。
しかし、本作に関しては評判が悪いので、最初は観なくてもいいかと思いましたが、ちょうど最近他の乱歩原作作品を観たばかりなので、それらとの比較検討のために観てもいいかなという気分になりました。
あとは、自分で作品を判断せずに、他人の評価を見て決めつけるのも良くないので、これも後学のためと思い、観ることにしました。


しかし、結果は惨憺たるもので、ほとんど褒めるべき所の見当たらない作品でしたね。
(小林少年が可愛いくらいだろうか?)
先日観たばかりなのに、こうして感想を書いている段階で、既に作品の内容をほとんど覚えていません。
つまらなかったことだけは、しっかりと覚えています。


乱歩ファンの観点からは全く楽しめません。
舞台が現代になり、人物の造形や言動も萌えアニメ的です。
乱歩のような怪奇的、耽美的なムードは無く、中二病チックなお安いグロ要素を詰め込んだだけです。
私の大好きな『パノラマ島奇談』も、つまらないブラック企業の話になっててガッカリでした。
熱心な乱歩ファンであるほど、なんだこりゃ?舐めてんのか?と怒りを覚えることでしょう。


まあ、たとえ原作と内容が全然違っても、別物として楽しめれば、一作品として評価できます。
しかし、その点でも本作はダメダメでした。
ミステリーとしてはお粗末ですし、わざわざ探偵が出張るような事件か?というものまであります。
さらに後半、訳分からん万能な数式が出始めてからは、興醒めもいいとこです。
この辺りになると、最早作品と向き合うのも馬鹿らしくなります。


映像的にも見所なしで、総じて乱歩の名を冠するには、あまりにも貧弱な作品でした。
天国の乱歩先生に見せられるような代物ではないですね。


それにしても、アニメで面白いミステリー作品って全然見つからないんですよね。
今世紀のアニメで、比較的面白かった作品としてパッと思い浮かぶのは、京極夏彦が原作の『魍魎の匣』、米澤穂信が原作の『氷菓』、舞城王太郎が脚本を手掛けた『ID: INVADED』でしょうか。
他に皆さんのオススメがあれば、是非とも教えてください。
映像作品と本格ミステリーは相性の悪い部分もありますが、それでもミステリー好きとしては、もっとアニメのミステリー作品が増えて欲しいと思いますね。
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